原価計算の仕方は、大きく次のように分類されます。
- 個別原価計算と総合原価計算
- 実際原価計算と予定原価計算(標準原価計算)
- 全部原価計算と部分原価計算(直接原価計算)
個別原価計算と総合原価計算
この区分は、個別受注生産のような少量多品種生産型か、大量反復生産型かにより、どちらの計算方式を採用するかが分かれます。
個別原価計算
個別原価計算は、種類の異なる製品を個別に製造する製造業(例えば、造船業、機械装置製造業など)に適用される原価計算方法です。
個別原価計算の場合は、個々の製品ごとに原価を集計し、特定製造指図書を発行します。
特定製造指図書は、特定製品の製造を命令するもので、製造着手から製品完成までを扱います。
特定製造指図書には一連の番号が付され、この指図書番号別(つまり製品別)に原価を集計します。
例えば、電子機器製造業において、同じ期間に、異なる2社の得意先からそれぞれA型アダプターとB型アダプターの注文を受けたとします。
注文を受けた工場の管理者は、特定製造指図書№1及び№2を発行し、これにより工場現場に製造を進めさせ、そしてそれぞれの特定製造指図書別に原価を集計します。
各製品の共通して発生する製造間接費は、一定の基準で各製品(例:A型アダプターとB型アダプター)に配賦します。
総合原価計算
同種または異種の製品をくりかえし連続的に製造する製造業(例:製鉄業、セメント製造業、製糸業、紡績業、化学工業など)に適用されるのが、総合原価計算です。
この総合原価計算の場合は、一定期間の製品の製造のためにかかったすべての原価要素を集計し、総製造費用を算定し、この総製造費用を同じ期間の総製造数量で割って、製品1単位当たりの製造原価を計算します。
例えば、製鉄業の場合は、通常、原料である鉄鉱石や石炭、コークス(あるいはスクラップ)を高炉(あるいは電気炉)で溶解し、成型してスラブなどの中間製品から、厚板、薄板に圧延するといった作業を連続して行っています。これは、同種の製品の連続的生産といえるので、個別原価計算のように、最終製品1単位作るのにかかったコストを集計するような原価計算方法は通常とりません。